自己紹介
フリーランスエンジニアをしているヨノと申します。
大学生のときに独学でプログラミングを学び新卒でグロース市場上場(旧:マザーズ市場)のソシャゲ開発会社に入社。
その後スタートアップでのSaaS開発を経て、2018年からフリーランスエンジニアとして活動しています。
主にバックエンド中心の案件を獲っていますが、たまにはフロントエンドも。
主な使用言語・FWは、Ruby/Rails/Go言語/JavaScript/TypeScript/React/Vue.js
ネットの声
「フリーランスエンジニアはやめとけ」
「フリーランスなら会社員の2倍・3倍稼いでトントン」
「フリーランスエンジニアになったら年収イッセンマン」
ネット上で色々言われているフリーランスエンジニア....。「本当はどうなの?」と思っている人は多いでしょう。
そこで本記事ではフリーランスエンジニア5年生の私が、ネット上の意見も引用しながら実態を解説していきます。フリーランスエンジニアになるか検討中の方は参考にしてください。
目次
フリーランスエンジニアの雇用形態
フリーランスエンジニアは企業と業務委託契約を結ぶのが一般的で「請負契約」と「準委任契約」の2種類があります。
請負契約は成果物の完成を約束し、完成をもって報酬が支払われる契約です。WEBサイトを完成させて納品をしたら報酬がもらえるといった受託開発は請負契約になります。
一方、準委任契約には成果物の完成義務はなく労力(労働時間)に対して報酬が支払われる契約です。開発チームにメンバーとして参加して依頼されたタスクをこなすという働き方の場合は準委任契約です。エージェント経由で案件に参画する場合もこの準委任契約契約になります。
主流というか、多くの人は準委任契約なのでネット上でフリーランスエンジニアの話のほとんどは準委任契約だと思って良いです。
本記事でも準委任契約のフリーランスエンジニアという前提で解説しています
【働き方の実態】フリーランスエンジニア自由?
このツイートのとおりです。
働く場所は会社員同様、オフィスかリモートワークの2パターンで、働く時間はクライアント企業の始業・終業時間によります。フリーランスだから自由な場所で働けるというわけではありません。
昔はリモートワーク可能な案件は少なかったのですが、コロナの影響で一気に増えました。この傾向は、大手フリーランスエージェントギークスジョブ登録エンジニアの80%がリモートワークというデータからもわかります。


働く場所・時間は自由ではありませんが、働く日数は自由に決めれます。例えば、週3,4日のみ働くとか、「週2日と週3日案件」や「週4日と週2日案件」と複数案件を組み合わせてたくさん働くなどなど。
複数案件を掛け持つメリットは「売上UP」と「契約解除のリスクヘッジ」で、デメリットは「稼働時間が長くなりすぎるとキツイ」、「稼働時間が少ない案件ではできるタスクが限られがち」。
週1日案件はほぼ無く週2日〜となります
私も最初2年間は「週5日と週2日案件」、「週4日と週2日案件」という感じで掛け持ちしていました。働きっぱなしはキツかったですが、その分稼ぎは良かったです。
今は育児の時間確保と体力的にキツイという理由で週5日案件のみにしています。
複数案件についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
人間関係の実態
フリーランスは人間関係で悩まなくてすむと言われていますが「どんな職種のフリーランスか?」によって変わってきます。フリーランスエンジニアの場合は人間関係からは解放されません。
案件が変わるたびに人間関係を構築し直す必要があるので、会社員よりも面倒くさいです。転職したときに新しい会社で人間関係構築するのをイメージしてもらえればとわかりやすいと思います。
まあ、仕事をする上で社会人として当たり前の行動ができれば問題ないので、過度に心配する必要はないです。(友達作るわけではないですから)
もしどうしても合わない人がいて働き辛いときは、案件を変えるべきです。どうしても合わない人はいるので、しょうがないと割り切るしか無いですね。
【収入の実態】フリーランスエンジニアが儲かるは嘘?
週5日案件1つのみという前提で書いています。
まず参考として大手のフリーランス専門エージェントの平均年商を紹介します。
エージェント | 年商 | 月商 |
---|---|---|
ギークスジョブ![]() | 867万円(税込) | 72.25万円(税込) |
レバテックフリーランス![]() | 876万円(税込) | 73万円(税込) |
税込と書いているのは消費税のことです。
フリーランスエンジニアの単価には消費税がかかるので、月80万円(税抜)の契約だと88万円(税込)振り込まれます
どちらも公式HPで公表している額ですが、平均なので妥当な額だと思います。
あくまで目安ですが自走して仕事を進めることができて3年以上経験がある人であれば月90万円(税込)前後も可能です。
この額は誰でも可能な額ではありませんが、決して困難なものでもありません。
ざっくりしたイメージですが、フワッとしたタスクを丸投げされても、自分で調べたり他の人に相談したりしながらタスクを完了まで持っていける人なら大丈夫。
また、全体のアーキテクチャを考えたり、他の人の技術的な相談にのれるハイスペックな人であれば月100万円以上もいけます。
ここまでは年商・月商(売上)の話で手取りはどうなるかというと。
年商1000万円(月83万円)で会社員の年収800万円と同じくらいのイメージです。これは厚生年金がない分老後の備えをするというのも加味した額です。給与所得者で年収800万円を超えているのは9.2%という現実を考えると稼げると言っても良いでしょう。
算出根拠など詳しい内容は【シミュレーション】フリーランスエンジニアの手取り額、自由に使えるお金はいくら?を読んでください。

給与水準高くて退職金たくさんもらえる会社に勤めている人からすると、旨味はあまりないとは思います。
ただ、あまり稼げていない人がいるのも事実
フリーランスエンージェントのRelanceによる【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-によると年商800万円以上の人は22.36%という結果でした。
この調査は稼働日数が週5日未満の人も調査対象にしているので、割合が低くなるのは仕方がないですが、それでも低いなーという印象です。このような稼げていない人がいる理由は大きく2つあると考えています。
1つ目は単純なスキル・経験不足
エンジニア歴1年しかなかったり、タスクを一人で完了まで持っていく技術力、コミュニケーション能力が足りない場合、単価を上げるのは難しいでしょう。別に特別な能力が必要なわけではないです。会社員エンジニアとして真っ当に当たり前のことを当たり前にこなせている人なら問題ないので安心してください。意外と世の中には当たり前のことを当たり前にできないフリーランスが多いのです。スケジュール間に合いのわかっているのに相談しない人だったり、わからないことがあってタスクが進まないのに質問できない人だったり....。
2つ目はマージンを取られすぎ
同じ現場でスキルは十分あるのに60万円台の人に遭遇したことがありますが、60万円代で受けるのは基本的にありえないので、エージェントを変えるか、「単価〇〇万円以上でお願いします」とはっきり言うべきです。
スキルに自信がない人でも、会社員としてまともに仕事できていたなら最低月70万円(税別)以上もらえます。エージェントには最低税別70万円と伝えましょう!!
【案件探しの実態】どうやって探すの?
案件探しの方法は大きくわけて2つ。
案件の探し方
- エージェント利用
- 自分で営業
多くのフリーランスエンジニアはエージェントを利用しています。特にレバテックフリーランスとギークスジョブ
利用者が多く、どの案件でも一人はいるといっても過言ではありません。(私調べ)
エージェントを使うメリットは「楽・早い・案件豊富」、デメリットは「マージン抜かれること」。たくさんの案件の中から選べて2〜3週間あれば見つかるので本当に便利です。マージン抜かれても多くの人が利用するのも納得。
自分で営業する方法は様々ですが、私はWantedlyやGreenなどの求人サイトから気になる企業に連絡しています。SNSや知人紹介で見つけるという人もいますし、すごい人だと企業から連絡が来るということもあります。
自分で営業するメリットは「マージン抜かれないこと」、デメリットは「すぐに気に入る案件が見つかるとは限らないこと」。上手くいくか心配な人もいると思いますが、ダメだったときはエージェントを使えば良いと思っています。

実際にエージェント使っていたからわかるんですが「すぐに案件が見つかる!!」という安心感が半端ないです。
「ダメならエージェントにお願いすればいいや〜」ってスタンスで営業すれば、精神的に楽ですし、焦って悪条件で契約してしまうことも避けられます。
【スキルアップの実態】フリーランスエンジニアはスキルアップできない?
引用のツイートはどちらも正しいと言えます。
会社員であれば会社や上司がスキルアップする機会を与えてくれますが、フリーランスエンジニアには一切ありません。なので、自分で考えて行動していかないと「未経験の技術に触れる機会がなくスキルアップできない」という状態になります。
逆に、自分で何を身につけたいかを考えて案件を選べば「未経験の技術に触れる機会ができてスキルアップできる」状態になります。
この自分考えて行動しないといけないのがフリーランスの大変なところ。

自己学習も大事ですが、実務に勝るものはないので成長できる案件を選ぶのが重要です。
ここはかなり意識しておかないと、いつも同じような開発環境で同じようなサービスばかり作っているという無成長状態になります。厄介なことに、なまじ収入が良いために「別にいっか」となりがちなんですよね。
例: スキルを意識した案件選び
- レベルの高いエンジニアが多い案件に入って設計・アーキテクチャを学ぶ
- 未経験の技術を使った案件を選ぶ(例: gRPC, GraphQL, AWSやGCPの各種サービス, SSR, SSGなど)
- 未経験言語の案件を選ぶ
- 自己学習してポートフォリオ作って営業
- 経験言語+未経験言語を使う案件に入る
- 小規模チーム(スタートアップ)の案件に入って、インフラ〜バックエンド、バックエンド〜フロントエンドと幅広い経験を積む
- 高アクセスのサービスの案件に入って負荷対策を学ぶ
- フリーランスでも重要な役割を与えてくれる企業を選ぶ
フリーランスエンジニアの将来性
「将来性があるのか?」は気になるところだと思いますが、正直わかりません...。
WEB業界は歴史が浅いので今は20〜40代が多いですが、10年したら50代のエンジニアもどんどん増えて何も変わらないんじゃないかと楽観的に考えている面もありますが、出口戦略は考えておいた方が良いです。
出口戦略の例
- 複数事業もつ
- 会社員に戻る
- 計画的な資産形成で単価ダウンしても大丈夫にする
どんな戦略をとるにしても資産形成はしておた方が良いと思います。
ポエム
40代、50代のフリーランスエンジニアと一緒に仕事をしたことがあります。なかにはエンジニアが数十にいる組織で全体のアーキテクチャをみていた人もいました。彼らに共通していることは「学び続けている」、「相手に対するリスペクトを忘れない(年上だからといって偉そうにしない)」という点です。新しい技術や考え方がどんどん出てきて、自分より若いエンジニアもどんどん出てくるので非常に重要なポイントだと思います。
「将来性があるのか?」に対する回答にはなりませんが、「学び続ける姿勢」、「相手に対するリスペクトを忘れない」を意識しながら世の中の需要を満たせるように振る舞っていけば、なんとかなるんじゃないかと思ったり。。。
「学び続ける」は技術に関してだけでなくもっと広い意味で書いています。
技術はもちろんですが、新しい考え方やビジネススキルなど世の中の変化に応じて必要なものを学んでいくべきだと考えています。
社会保障・老後資金の実態
フリーランスの場合は国民年金と国民健康保険です。「厚生年金」も「失業給付金」も「傷病手当金」も「出産手当金」も「育児休業給付金」もありません。全然ないので、もしものときに備えておかないといけません。
ただ、幸いにもフリーランスエンジニアの場合はそこそこの収入を得られるので資産形成しやすいと思います。くれぐれも収入が増えたからと言って無駄遣いしないように!
老後資金に関しては「iDeCo」や「国民年金基金」、「小規模企業共済」といった制度を利用します。どれも節税しながら老後に備えれるお得な制度なので必ず活用しましょう。
(売上が増えてきたら法人成りして会社員と同等の社会保障を得るという道もあります。)
税申告の実態
毎年確定申告します。確定申告には「白色」と「青色」の2種類ありますが、ほぼ100%節税効果が大きい青色申告をしています。
税理士にお願いしている人もいますが、自分でやっている人の方が多い印象です。(私調べ)
自分でできるか不安な人もいると思いますが、freeeやマネーフォワードを使えば問題ないです。フリーランスエンジニアは仕入れが無いので面倒だけど自分でできる範囲です。

確定申告に関しては色々説明読んでもピンと来ないと思うので1回やってみるしかないですね。
確実に言えるのはfreeeやマネーフォワードといったクラウド確定申告サービスを利用すべきということ。
フリーランスエンジニアありかも?と思った人は
ここまでフリーランスエンジニアの実態を読んでフリーランスエンジニアになるのもアリかもっと思った方はエージェントに相談してみましょう。自分の経歴と希望単価を伝えればどんな案件があるのか教えてもらえるので、フリーランスエンジニアになるかの良い判断材料になります!
相談におすすめのエージェント
私もキャリア相談をしているので、エージェントはちょっと嫌だなと言う方はお声がけください。