制度・手続き

フリーランスエンジニアの開業届・青色申告承認申請書の書き方と提出方法解説

自己紹介

フリーランスエンジニアをしているヨノと申します。

独学でプログラミングを学び、ソシャゲ・SaaS開発などを経て、2018年からフリーランスエンジニアとして活動しています。

主にバックエンド中心の案件を獲っていますが、たまにはフロントエンドも。
主な使用言語・FWは、Ruby/Rails/Go言語/JavaScript/TypeScript/React/Vue.js

フリーランスエンジニアになると決めたら、税務署に「開業届」「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。しかし、税務署への書類提出なんて初めてでどうすればよいかわからないという人も多いでしょう。

そこで、これからフリーランスエンジニアになる人向けに「開業届」と「青色申告承認申請書」の書き方を解説します。

ポイント

freee開業 を使うのがオススメ!!
質問に答えるだけで簡単に「開業届」と「青色申告承認申請書」の両方作成できちゃいます!!

しかも無料

そもそも開業届・青色申告承認申請書とは?

「開業届」(正式名称「個人事業の開業・廃業等届出書」)は、個人事業を始めるときや事務所の新設や移転を行ったときに提出する書類です。

開業届の控えは個人事業主である証明書類としても使われ、銀行口座の開設時や助成金の申請時などにしばしば必要になります。
その他、子供の認可保育園の申し込み時に個人事業主を証明するために必要だったりします。

「青色申告承認申請書」は青色申告をするための書類で、青色申告するためには「開業届」と「青色申告承認申請書」の両方を提出する必要があります。

提出先はどちらも管轄の税務署。

青色申告とは

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。

白色申告は簡易簿記でよく、青色申告は複式簿記(より厳密)が求められますが、青色申告の方が税金面で優遇されています。

控除額が大きかったり、PCなど高額な固定資産を購入した場合に30万円まで一括で費用計上できたり。

これから個人事業主として生きていくなら青色申告しか選択肢はないです!!

青色申告の方が複雑ですがマネーフォワード確定申告freeeを使えば必要な全書類を作成できるので、会計知識が乏しくても大丈夫です。

開業届・青色申告承認申請書の提出期限

期限

  • 開業届:事業開始後1ヵ月以内
  • 青色申告承認申請書:事業開始後2ヵ月以内

事業開始日は細かい規定がある訳ではなく自由に決めれるので、あまり神経質にならなくて大丈夫ですが、重要な書類なので忘れないうちに提出しましょう。私は前職の有給消化中に提出しました。

ちなみに開業届・青色申告承認申請書を提出しなくても罰則はありませんが

  • 個人事業主であることを証明する書類が無い
  • 青色申告できずに税金を多く払うことになる

と困った状況になるので気をつけてください。

フリーランスエンジニアの開業届・青色申告承認申請書の書き方

開業届・青色申告承認申請書ともに「freee開業」で無料で作成します。

画面の内容に沿ってちょっと入力するだけで書類が出来上がるのでめちゃくちゃオススメ!!

1. freee開業のアカウント作成

freee開業トップページ
freee開業よりアカウントを作成します。 Google、Facebook、Apple、Microsoftアカウントがあれば瞬殺。

2. 申込者情報を入力

氏名、住所、電話番号といった基本的な情報を入力。

3. 働く場所を入力

フリーランスエンジニアの場合クライアント企業のオフィスで働く可能性もありますが、事務所や店舗を開くわけではないので「自宅で働く」を選んでおけばOKです。

freee開業働く場所

4. 仕事内容を入力

仕事の種類は「フリーランス」、概要は「ITサービス・ソフトウェア開業」を選びます。

freee開業 仕事内容

5. 屋号と事業開始日を入力

屋号(任意)と事業開始日を入力します。

屋号は確定申告時に設定・変更可能なのであまり深刻に考えなくても大丈夫です。つけたい屋号が特になければ未入力にしておき、必要になったときに設定すれば良いでしょう。

freee開業 屋号と事業開始日

一応、屋号があった方が良い例を軽く紹介しておきます。

HP制作の受託開発を生業としていて、営業時や見積書・請求書を出すときに「山田太郎(個人名)」とかよりも「〇〇システム」みたいに屋号がある方が格好がついたり、安心してもらえたりします。

準委任契約(SES)のフリーランスエンジニアとして活動するだけであればクライアント企業も個人だと知っているので、個人名でも何も問題ないです。

参考屋号とは?フリーランスエンジニアに屋号は必要?

6. 収入の種類を選択

事業所得を選びます。

7. 従業員の有無を選択

いきなり従業員を雇う人はあまりいないと思いますが、各々の状況に合わせて入力します。

大半の人は「今はいない」、家族に給与を支払う場合は「家族に支払う」を選択して続柄などを入力します。

8. 確定申告の種類を選択

冒頭で書いたとおり「青色申告」一択!!

画像では55万円控除と書いてありますが、e-Taxで電子申請すれば65万円控除になります。

注意点はe-Taxでの電子申請にはマイナンバーカードが必要なこと。電子申請の方が楽ですし税金も安くなるので持っていない人は絶対に作っておきましょう。

9. 提出先の税務署・提出方法を選択して提出

提出先税務署が複数表示された場合は国税庁のHPで管轄の税務署を調べましょう。

提出方法は「税務署に持っていく」、「郵送」、「スマホ・PCでの電子申請」のどれかです。

「税務署に持っていく」、「郵送する」場合はダウンロードして印刷、押印、空欄になっているマイナンバーの欄に記入します。

電子申請の場合は、提出に必要なアプリをインストールしてマイナンバーカードをスマホかカードリーダーで読み込んで申請します。

提出時の注意点

  • 郵送の場合、控えを送ってもらうために返信先を記入し切手を貼った返信用封筒を入れておく必要があります
  • 電子申請はマイナンバーカードが必要です。確定申告の電子申請でも必要になるので持っていない人は作成しましょう。
ヨノ

税務署に行ったことない人多いと思うので、記念に持っていくのもありだと思います。
提出するだけですぐに終わるので。

以上で開業届と青色申告承認申請書の作成終了です。

書類の各項目に何が記入されていればよいか解説しておきます。出来上がった書類が問題ないか確認用にお使いください。

開業届の各項目解説

開業届の書き方

(1) 納税地の税務署名、提出日
管轄の税務署と提出日を記入します。管轄の税務署がわからない場合は国税庁のHPで調べられます。

(2) 納税地
「住所地」にチェックを入れ、生活の拠点である自宅の住所を記入します。
事務所があって、事務所を納税地としたい場合には「事業所等」にチェックを入れ事務所の住所を記入します。

(3) 上記以外の住所地・事業所等
自宅兼オフィスの場合は記載不要です。

事務所がある場合は納税地を自宅と事務所どちらにするかで変わります。

  • 納税地を自宅にした場合 → 事務所の住所を記入
  • 納税地を事務所にした場合 → 自宅の住所を記入

(4) 氏名・生年月日・個人番号
氏名・生年月日・個人番号(マイナンバー)を記入します。

(5) 職業・屋号
どんな職業かわかればOKです。「Webアプリケーションエンジニア」、「フリーランス」など。
屋号は任意。希望する人のみ記入します。

(6) 届出の区分
「開業」に○をします。

(7) 所得の種類
「事業(農業)所得」にチェックを入れます。

(8) 開業・廃業等日
開業した日を記入します。特に決まりがあるわけではなく、自分が開業したと思った日で良いです。
開業届は事業開始後1ヵ月以内という期限があるのでそのだけ注意してください。

(9) 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」の「有」にチェックを入れます。
消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は「事業廃止届出書」は、「無」にチェックを入れます。課税売上が年間1,000万円を超えたら必要になるものですので開業時は不要です。

(10) 事業の概要
事業内容を記入します。フリーランスエンジニアの場合は「ITサービス・ソフトウェア開発」

(11) 給与等の支払いの状況
家族従業員(専従者)や、家族以外の従業員(使用人)を雇用する場合は記入します。従業員を雇わない場合は空欄でOKです。

(12) 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の 提出の有無
従業員を雇わない場合は「無」にチェックを入れます。
従業員を雇う予定で源泉徴収を納付する義務がある場合、「納期の特例の承認に関する申請書」の提出の有無が選べます。この申請書を提出すると、半期に一度にまとめることができます。(通常は毎月)

(13) 給与支払を開始する年月日
従業員を雇わない場合は空欄でOK。すでに支払っている場合はその日付を記入します。

青色申告承認申請書の各項目解説

青色申告申請書

(1) 青色申告承認申請書を提出する、所轄の税務署名と提出日を記入
管轄の税務署と提出日を記入します。管轄の税務署がわからない場合は国税庁のHPで調べられます。

(2) 事業と自分の基本情報

基本的に「住所地」にチェックを入れて生活の拠点である自宅の住所を記入します。事務所があって、事務所を納税地としたい場合には「事業所等」にチェックを入れ事務所の住所を記入します。

「上記以外の住所地・事業所等」の欄は、自宅兼オフィスの場合は記載不要です。

事務所があって

  • 納税地を自宅にした場合 → 事務所の住所を記入
  • 納税地を事務所にした場合 → 自宅の住所を記入

職業はどんな職業かわかればOKです。「フリーランス」、「Webアプリケーションエンジニア」など。

(3) 青色申告を開始したい年度を記入
年度なので注意してください。令和2年度の確定申告は令和3年の2〜3月に行います。

(4) 事業所又は所得の基因となる資産の名称及びその所在地
飲食などで複数店舗あったり、オフィスが複数あるといった場合に記入します。なければ空欄でOKです。フリーランスエンジニアの場合は空欄の人がほとんどでしょう。

(5) 所得の種類
「事業所得」にチェックを入れればOKです。

(6) いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無
初めて個人事業主になる場合は「無」にチェック。もし過去に青色申告承認の取消しを受けたり、取りやめをしたことがある場合は年月日を記入します。

(7) 本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
青色申告申請書を提出する年の1月16日以降に新規開業した場合は、開業日を記入します。すでに開業している場合は空欄。

(8) 相続による事業承継の有無
フリーランスエンジニアで相続して事業継承するって人はいないと思うので「無」にチェックを入れればOKです。もし事業継承した場合は相続開始年月日と被相続人の名前を記入します。

(9) 簿記方式
「複式簿記」にチェック。

(10) 備付帳簿名
現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳にチェックを入れます。
マネーフォワード クラウド確定申告freeeを使えば必要な書類を全部用意できるのでビビらなくて大丈夫!!

(11) その他
未記入でOK

(12) 関与税理士
税理士に頼んでいれば名前と連絡先を記入します。

フリーランスエンジニアの開業届・青色申告承認申請書まとめ

まとめ

  • 開業届・青色申告承認申請書は青色申告するために必要。
    青色申告は複雑だが、マネーフォワード クラウド確定申告freeeを使えば簡単にできる
  • 開業届に控えは個人事業主である証明書類として使える
  • 提出期限は、開業届は事業開始1ヶ月以内、青色申告承認申請書は2ヶ月以内
  • 開業freee」を使えば、質問に答えるだけで、「開業届」と「青色申告承認申請書」が出来上がる!!

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