社会保険料(国民年金+国民健康保険)で年間100万円以上払っていて「マジ何これ糞じゃん!なんとかしたい」と思い、幸い本業のソフトウェアエンジニアとは別の収入が年間40万円くらいあるので「マイクロ法人作れるんじゃね?」と思い検討したんですが、やっぱり辞めたという話です。
注意
あくまでも私の場合は微妙だったという話です。
人それぞれ各事業の売上割合や家族構成、働き方が異なるので、マイクロ法人が有効な手段である人も多くいると思います。
マイクロ法人検討中の方の参考にあればと思います。
目次
マイクロ法人とは?
この記事に辿り着いた人はみんな知っていると思いますが、一応軽く説明。
赤字もしくはほぼ利益なしの法人を作り、役員報酬を月5万円くらいにしたら社会保険料(健康保険+厚生年金)を年間27万円に抑えられて、給与所得控除で役員報酬分は税金払わなくて済むっていうやつです。
リベ大のYouTubeで有名になった印象。
マイクロ法人設立を辞めた理由
冒頭に少し書いたとおり、私はSES事業とその他で売上を分けれそうでした。額は下記の通り。
個人事業主 | マイクロ法人 |
1100万円前後 | 40万円前後 |
結婚していて、子供2人。共働きという状況です。
で、年間25〜40万円くらい得しそうな計算にはなったんですが...
次の4つの理由からわざわざ面倒なこと増やしてまでやっても、そこまで旨味ないなーという結論にいたり、辞めました。
1. 個人事業主側の税金が上がる
社会保険料をマイクロ法人側で払うことで個人事業主側では払う必要がなくなります。
つまり
社会保険料控除が減る
↓
課税所得増える
↓
住民税、所得税増える
フリーランスエンジニアって経費がほぼないので社会保険料控除がなくなるのは結構デカイです。
2. iDeCoの掛金減る(複利の減少)
マイクロ法人設立すると厚生年金に加入するのでiDeCoの掛金上限が月68,000円→23,000円に減ります。(年間54万円減)
糞安月給で厚生年金に加入することで将来もらえる年金が年間最大15万円増えますが、iDeCoの掛金が減ることで複利で増える額も減ることになります。
月68,000円と23,000円で30歳から65歳まで年利3%で積み立てたときの差は3,300万円。
これを退職金として受け取る時の税金は考慮していませんが、3000万円以上の差が出ます。激安給与で厚生年金加入して増える額に比べるとかなり大きいです。
要は、今手元に残るお金と将来もらえる年金は少しだけ増えるけど、iDeCoの複利効果を失い3000万円以上損することになります。

年利3%で運用できればという条件付きですが、過去の歴史を振り返ってみると、特別現実離れした利率では無いでしょう。
月の掛金 | 30歳から65歳(35年間)年利3% |
---|---|
月68,000円 | 50,426,329円 |
月23,000円 | 17,055,964円 |
差額 | 33,370,365円 |


3. 手元に残るお金そこまで増えない
iDeCoの掛金と社会保険料控除の減額を少しでも補うためには小規模企業共済を使う必要があります。
おそらく小規模企業共済を満額月7万円払うことになります。
社会保険料の減額の方が大きいので手元に残るお金は増えますが、小規模企業共済増額する分、思っていたほど増えそうにないと思いました。
4. 設立費用・維持費・税理士費用・面倒さ
マイクロ法人といっても色々お金がかかります。
合同会社設立するのに最低6.5万円、赤字でも毎年7万円の税金(法人側)、決算など依頼するための税理費用(相場年間20万円前後)
これに加えて、設立や維持のための諸手続きが面倒くさい。会社畳むのときも面倒くさい、お金かかる。
マイクロ法人設立を諦めた理由まとめ
- 社会保険料控除減による個人事業主の税金増
- iDeCo掛金減による複利効果の減少
- 上記2つを少しでも補うために小規模企業共済掛金を増額することによって手元に残る額がそこまで増えない
- 面倒な作業増える、会社畳むのにも面倒だしお金かかる
マイクロ法人設立を辞めてどうするの?
国民健康保険料が憎すぎてマイクロ法人設立する予定だったが辞めた。
— ヨノ フリーランスエンジニア (@yono_free) April 4, 2023
iDeCoと小規模企業共済の二刀流だけど小規模企業共済の方は掛金枠が残ってるから、売上増やして両方上限額に出来るようにする。
今は、iDeCoに月68,000円、小規模企業共済に月17,500円積み立てていますが、小規模企業共済の方がまだ上限額まで余裕があります。なので、小規模企業共済も上限いっぱい払えるように売上を増やせるように頑張っていこうと思います。
【補足】マイクロ法人が有効な人もいるとは思う
色々微妙なこと書きましたが、あくまでも「私の場合」、「私の考え」です。人それぞれ状況が違うのでマイクロ法人が有効な手段である人も多くいると思います。
私の場合は、妻も会社員で働いていて、マイクロ法人に割当られる売上も少なかったので旨味が少なかったです。
例えば、売上を個人事業主700万円とマイクロ法人300万円割り振るといった様に、まとまった額をマイクロ法人に移せたら節税効果が大きくなるでしょう。例に上げた売上分配なら子供手当ても満額もらえるようにできますし、マイクロ法人側でも色々節税対策打てそうです。
さらに、配偶者が専業主婦(夫)であれば、配偶者にも給与を支払いことで節税、さらに配偶者も厚生年金に加入させ、健康保険も安するということもできると思います。
あと、出張がある人は出張手当使えるので法人を持つメリットが大きいですね。
このあたりめちゃくちゃ難しいですよね😅
— りょうま@フリーランスエンジニア (@engineer_ryoma) April 5, 2023
僕の場合は、
・子ども2人+妻扶養で国保がやばかった
・個人事業主だけだと子供手当の所得制限を超えてしまう
・東京に出張が多いので、法人の日当が地味にでかい
という感じだったので、マイクロ法人にした方が年間で200万ぐらい得になりました!…
自分にはメリット大きいからマイクロ法人設立したいんだ!という方は
法人側の決算や年末調整などの諸手続きを全部自分でやるなら良いですが、結構めんどうです。
となると、税理士にお願いするわけですが、税理士費用が高ければ元も子もないです。マイクロ法人なんて対した規模じゃないと思うので、格安税理士にお願いしましょう!
おすすめは、菊池会計事務所の最安マイクロ法人パッケージ
税理士費用が月5,000円〜で格安なので、かなり経費削減できます。
今回マイクロ法人を検討するにあたって税理士ドットコム
私も相談しましたが、とても正直に色々教えていただき、かなり為になりました。
良かった点
- マイクロ法人設立で「何の負担が増えて、何がどれだけお得になるか」を解説してくれるので、安心感がある
- 今は本業の売上しかないけど、将来的にマイクロ法人作りたいという人へのアドバイスもくれる
