フリーランスエンジニア 税金・確定申告

【シミュレーション】フリーランスエンジニアの手取り額、自由に使えるお金はいくら?

Twitterなどで

  • 「税金でたくさん取られるから全然残らない」
  • 「2倍稼いでトントンでしょ」
  • 「こいつフリーランスのくせに税金のこと全然わかってねーよ。プププ」

といった発言をよく見ると思います。

興味のある人からすると「実際どうなの?」って感じだと思うので、ちゃんとシミュレーションしてみました。

シミュレーション条件は十分目指すことが可能な売上1000万円としています。
真面目に仕事に取り組んでいれば十分に可能な額なのでフリーランスエンジニアに興味のある方は参考にしてください。

何も考えずにフリーランスエンジニアになれば誰でも売上1000万いけるわけではありません。
しかし、ちゃんと学習して積極的に仕事に取り組んでいるフリーランスエンジニアであれば十分に狙える額です。

条件を変えてシミュレーションしたい方は記事を読み進めながら一緒にシミュレーションしてみてください!計算方法も載せています。

フリーランスエンジニア手取り額シミュレーション条件

準委任契約のフリーランスエンジニアとして働いているとし、次の条件でミュレーションしていきます。
尚、前年も同じ条件だったとします。

年齢40歳未満
月単価税抜:760,000円
税込:836,000円
年間売上10,032,000円
この内消費税が912,000円
消費税課税事業者で簡易課税制度(みなし仕入率50%)
個人事業税無し ※ 準委任契約であれば事業性が乏しく対象外
確定申告青色申告
扶養家族無し
小規模企業共済等掛金控除iDeCoに上限額(月68,000円)拠出
経費月10万円+前年度分の消費税納税額
シミュレーション条件

扶養家族無しで計算していきますが、共働きで子供が16歳未満であれば国民健康保険料が数万上がるだけで結果はほぼ変わりません。
(16歳未満の子供は所得税・住民税計算時には扶養扱いにならないため)
家庭持ちの方も参考にしてください。

さっさと結果を知りたい方は「シミュレーション結果」へどうぞ。

フリーランスエンジニア手取り額シミュレーション

一応、手取り額とは何かの確認。

手取り額とは

手取り額 = 売上 - 経費 - 社会保険料(健康保険、年金) - 所得税 - 住民税

シミュレーション条件に書いたとおり
売上は1,003.2万円なので「経費」、「社会保険料(健康保険、年金)」、「所得税」、「住民税」がいくらになるか順に計算していきます。

経費(消費税納税額含む)

経費はシミュレーション条件に書いた通り、月10万円と前年度分の消費税納税額。(納税した消費税は経費に入れられる)

経費月10万円で内訳は

経費の内訳イメージ

  • 家賃・ネット回線代・電気代などの固定費の按分7万円
  • PCや周辺機器、書籍代、交通費、その他雑費で3万円

Twitterで「脱税してるだろ!そんな経費かからないだろ!」とケチつけられない妥当な額だと思います。

消費税の納税額計算は簡易課税制度を利用するので簡単。

計算式

消費税納税額 = もらった消費税 x みなし仕入率(エンジニアの場合50%)

ということで、前年の消費税納税額を含む経費は

経費 = 100,000円 x 12ヶ月 + 912,000円(年間売上の内の消費税額) x 0.5 = 1,656,000円

年間経費は1,656,000円

社会保険料(国民健康保険料、国民年金保険料)

令和4年度の国民年金保険料は月16,590円 → 年間199,080円
(前納したら少し安くなりますが、今回は考慮しません)

国民健康保険料は東京都江東区の保険料率で計算します。(自治体によって違いますがシミュレーション結果が大きく変わることはないでしょう)

区分均等割額所得割額年間限度額
1.医療分
(加入者全員)
加入者数×42,100円加入者全員の年間所得額×7.16%65万円
2.支援金分
(加入者全員)
加入者数×13,200円加入者全員の年間所得額×2.28%20万円
3.介護分
(40~64歳の加入者)
40~64歳の加入者数×16,600円40~64歳の加入者の年間所得額×2.31%17万円
東京都江東区の国民健康保険料率

国民健康保険料の計算式は次の通り。

計算式

年間所得額 = 売上 - 経費 - 青色申告特別控除(65万円) - 国民健康保険の基礎控除額(43万円)

医療分 = 加入者数 x 42,100 + 加入者全員の年間所得額 x 0.0716 ※ 上限65万円
支援金分 = 加入者数 x 13,200 + 加入者全員の年間所得額 x 0.0228 ※ 上限20万円
介護分 = 40~64歳の加入者数×16,600 + 40~64歳の加入者の年間所得額 x 0.0231 ※ 上限17万円

国民健康保険料 = 医療分 + 支援金分 + 介護分

独身、40歳未満という条件なので加入者数は1人で介護分は不要。

年間所得 = 10,032,000 - 1,656,000 - 650,000 - 430,000 = 7,296,000円

医療分 = 1 x 42,100 + 7,296,000 x 0.0716 = 564,494円
支援金分 = 1 x 13,200 + 7,296,000 x 0.0228 = 179,548円
介護分 = 0円

国民健康保険料 = 564,494 + 179,548 + 0 = 744,042円

国民年金保険料は199,080円、国民健康保険料は744,042円

所得税

所得税の計算式。

計算式

課税所得 = 売上 - 経費 - 青色申告特別控除(65万円) - 所得税基礎控除(48万円)- 所得控除
所得税 = (課税所得 x 税率 - 税額控除)x 1.021(復興特別所得税率2.1%を考慮)

所得税率と税額控除は金融庁のHPで確認可能。

今回のシミュレーション条件の場合、所得控除は小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金月)と社会保険料控除(国民健康保険料と国民年金保険料)。

本来この所得控除に色々のってきます。
小規模企業共済の掛金や生命保険料控除、扶養控除、寄附金控除(ふるさと納税等)

iDeCoの年間掛金 68,000 x 12ヶ月と先ほど計算した国民年金保険料と国民健康保険料の額を使って計算すると

課税所得 = 10,032,000 - 1,656,000 - 650,000 - 480,000 - (68,000 x 12) - 199,080 - 744,042 = 5,486,878円

所得税 = (5,486,878 x 0.2 - 427,500) x 1.021 = 683,943円

所得税は683,943円

住民税

住民税は地方税法で税率が決まっているので基本的に自治体による差はありません。

住民税は均等割額(固定)と所得割額(所得によって変動)の合計。

計算式は次の通り。

計算式

均等割額 = 都道府県民税+市町村民税(5,000円)

課税標準額 = 売上 - 経費 - 青色申告特別控除(65万円) - 住民税基礎控除(43万円)- 所得控除
所得割額 = 課税標準額 x 0.1(住民税率) - 調整控除

住民税 = 均等割額 + 所得割額

住民税の所得控除と所得税の所得控除では種類・上限額が異なる。
(参考): 東京都主税局 個人住民税

調整控除については面倒なので説明を省きますが、課税基準額が250万円を超える場合は2,500円だと思って良いです。

今回のシミュレーション条件で適用される所得控除は、所得税の場合と同じでiDeCoの年間掛金と社会保険料のみ。

均等割額 = 5,000円

課税標準額 = 10,032,000 - 1,656,000 - 650,000 - 430,000 - (68,000 x 12) - 199,080 - 744,042 = 5,536,878円
所得割額 = 5,536,878 x 0.1 - 2,500 = 551,188円

住民税 = 5,000 + 551,188 = 556,188円

住民税は556,188円

シミュレーション結果

売上10,032,000円
所得税683,943円
住民税556,188円
経費1,656,000円
社会保険料1,019,080円
手取り6,116,789円
手取り額シミュレーション結果

手取り額約611.7万円という結果になりました

年収800万円の会社員の手取り額が約600万円なので、売上1000万なら年収800万円の会社員と同じくらいと言えますね。

手取り額とは少し違う?日常生活で自由に使える額

シミュレーションの結果、売上1000万なら手取り額は約612万円で年収800万円の会社員と同じくらいとなりましたが、この612万円が自由に使えるお金というわけではありません。

(今回のシミュレーション条件だとそんなに変わらないですが)

ポイント

  • 節税のためiDeCoに月68,000円拠出
    • ジジ、ババになるまで使えないお金
  • 経費の中に生活費が入っている
    • 家賃、電気代、ネット回線代などの固定費の一部

iDeCoの月68,000円は自由に使えません。反対に、経費に含めた固定費はフリーランスに関係なく発生するお金のため自由に使えるお金と言えます。

経費算出のところで書いたように、「家賃・ネット回線代・電気代などの固定費の按分で月7万円」の想定なので、ここらへんを加味すると

自由に使えるお金 = 6,116,789 - (68,000 x 12) + (70,000 x 12) = 6,140,789円

今回のシミュレーションではあまり変わりませんでしたが、自由に使える額は約614万円となりました。

フリーランスエンジニアの手取り額は多い?少ない?

フリーランスエンジニアになれば十分に狙える可能性がある売上1000万でシミュレーションした結果、年収800万円の会社員と同じくらいという結果になりました。今自分が置かれている状況によって多いと感じる人も少ないと感じる人もいるでしょう。

給与所得者で年収800万円を超えているのは9.2%という現実を考えると、私は多いと思います。

もちろん「売上を維持できないリスク」、「社会保障が会社員より劣るリスク」、「売上が上がる可能性(単価UPや複数事業)」などなど様々なリスクや可能性をふまえて判断すべきですが、今回のシミュレーション結果が判断材料の1つになれば幸いです。

自分だとどれくらいの単価になるか気になる方はエージェントに相談してすることをオススメします。

私は相談した結果「まだちょっと早いな」と感じ保留。
その1年後にフリーランスになりました。

-フリーランスエンジニア, 税金・確定申告